統合整体は治未病(ちみびょう)の整体
中国最古の医学書と呼ばれている
『黄帝内経(こうていだいけい)』
に未病の記載があります。
「聖人は、已病(いびょう)を治さず、未病(みびょう)を治す」
(聖人、不治已病、治未病。)
病気を治すのではなく未病を治す。
この「未病」という言葉は、「病気の早期処置」や「予防」という解釈が一般的です。
一般的な意味も大事ではあるのですが、私は未病を「心身のシステムとその奥の生命のシステム」と解釈しています。
人間は常に環境適応していて、大きく2つにわけると以下になります。
①季候や衣食住などの体外環境
②骨格や内臓などの体内環境
この2つの環境の変化に柔軟に対応できているなら快適に暮らせます。
ところが心身が環境の変化に対応できなくなると心身システムが適切に機能しなくなり、その背後にある生命システムとの連携がとれなくなり、さまざまな不調や病気になっていくのです。
心身システムは神経系や運動系、生命システムは心身システムさえも統括する生命という人智で知ることができない厳粛な領域だと思っています。
たとえば、病気や不調で心や肉体に支障をきたして心身システムの働きを制限することはあっても、生命システムそのものは病気になることはありません。
なぜなら、生命システムの働きによって全生命は誕生し、魂の抜けた肉体はその働きによって、再び土に戻って循環してゆくものだからです。
そこには人間の小さな意思や心身のシステムを越えた大きなシステムが絶えず循環されていることを垣間見ることができると思います。
未病を治すとは、心身のシステムを整えて、生命システムと連携できるようになることで、あらゆる環境に柔軟に適切に対応できる状態になることだと思います。
もちろん部分的な硬直や弛緩などの滞りを取ることは大切です。
しかし、一部分の滞りだけを取り除いたり、すでに起きている病気を対象に治療しても、心身のシステムの循環が整わなければ、症状がとれても同じサイクルを繰り返し、また別の部分に現れたりする可能性があります。
統合整体は、病気を治すのではなく、あなたの心身のシステムが正常に機能して、あなたの持っている力で自然に元気になるようにシステムを調整します。