天気による心身の変化によるサポート

 

天気とは、気温、気圧、湿度、風向き、風速、雲量、降水量などの気象要素を含み、「ある地点のある時刻における大気の総合状態」を意味するようです。

 

佐藤純先生は、天気が悪くなると痛みが悪化したり、寒暖差による不調を「天気痛」と名付けました。天気痛を含めて、気象の影響を受ける病気や症状を総称して「気象病」と言います。

 

その中でも、気温気圧湿度が体の痛みに大きく影響するとされています。

 

これらの動きの変化は、交感神経と同調しているようです。

 

天気による痛みは、気圧の上がり下がりの変化を、内耳のセンサーから前庭神経へ、そこから脳に伝達することにより、交感神経を興奮させ、体の痛みにつながっています。

  

つまり、安定した気圧の状態よりも、天気が崩れ始める時や天気が回復し始める時などの天気の変わり目に痛みがでるのです。

 

逆に、気温低下(冷え)による症状は、時間の経過とともに少しづつ現れるようです。交感神経がじょじょに興奮していくようです。体内の冷えが進行することで、状態の機能が低下して悪化するという事だと思います。

 

この気圧は人体の表面積に大きな影響を与えます。

男性では平均約16トン(表面積が1.6㎡の場合)、女性では平均約14トン(表面積が1.4㎡の場合)くらいの圧力がかかっています。

また気圧が1ヘクトパスカル低下すると、海水面が1cm上昇します。

 

この気圧は、ゆらいでいますので一定ではありませんし、天体の引力や遠心力の影響もあります。

 

そのために人体は、膨張と収縮を繰り返しています。

私はこの膨張と収縮がスムーズにいかないことが、痛みを生じさせていのではないかと思っています。

 

また大気潮汐(たいきちょうせき)に反応してしまって痛みや体調を崩す人もいます。

 

潮汐とは規則正しく海水面が周期的に昇降する現象をですが、大気潮汐は、太陽と月の引力によって起る大気の変動です。

 

そして日常生活による、高層ビルから地下鉄への移動の圧力変化やエレベーター、飛行機、新幹線(中間車両は比較的安定します)などの乗り物や建物の高低によって圧力は変化しますので、痛みや体調を崩しやすくなります。

 

天気の変化が自律神経のストレスを反応を引き起こします。痛みへのルートが2つあります。

 

①交感神経の興奮が血管を収縮させ、血液循環障害を起こして痛み物質を発生させて、「痛みの神経」を興奮させているケースがあります。

 

交感神経が「痛みの神経」に直接作用するケースもあるようです。佐藤先生は、これを「交感神経依存性疼痛」と名付けました。

 

「痛みの神経」には、本来、ノルアドレナリンを受け取る構造(受容体)はありません。ところが神経が損傷して、ある時間が経つと、交感神経と「痛みの神経」にネットワークができてしまいます。そうすると交感神経が興奮によって「痛みの神経」にノルアドレナリンが伝達し痛みます。

 

しかし、この場合は、交感神経はいつも興奮しているわけではなく、むしろ活動が低下(弛緩)して、ストレスに反応に対処(ノルアドレナリンの放出量が少ない)ができづらくなっているので、それを補填するためにノルアドレナリンを受け取る構造を増やすことで、交感神経の低刺激でも「痛みの神経」が爆発的に反応して、興奮しやすくなっているのです。これを「脱交感神経性興奮」と呼びます。

 

天体や天気の変化により、人体が膨張と収縮を繰り返すことは自然なことです。 

 

 

整体的な視点

 

このような痛みの要因は人によって違いますが、ストレスによる緊張、偏った部分疲労、暴飲暴食、怪我や打撲(外科手術なども含む)、運動不足、人体の内部圧力が弱い、運動過剰、不眠なども考慮しなければなりません。天体や天気の力はとても強大な上に、近年、異常気象も考慮して生活しなければならないでしょう。

 

通常は、人体の内部圧力が弱くて、天体や天気の変化に対応できづらいのではないかと思います。普段から、呼吸を深くしたり、腹部などの内圧や筋肉を強化したり、呼吸法や有酸素運動やアーシングなどをおすすめしています。

 

私は過度に痛みなどが出る人は、内耳センサーの過敏さ、体のある処に硬直や緊張などがあると考えられます。これらによって自然の膨張と収縮に柔軟に対応することはできづらくなります。

 

 

 

人体には平衡要求があり、それがあるために安定して立ち続けたり、安定した動作をすることができます。

内耳のセンサーが正常であれば、打撲や硬直などによる歪みによるアンバランスを起こしている異常を認識して感じ、常に修正しようと働いているのではないかと思います。

 

よって内耳のセンサー異常というよりも、人体のどこかの異常による平衡の歪みを内耳のセンサーが感知して、過剰に働いている可能性もあると思います。それが天気などの変化が起きると、通常の人体の場合よりも、人体や内耳にとっては大きな負担や痛みになると思います。

  

 

本人はしっかり地面に真っ直ぐ立っているつもりでも、人体にアンバランスさがある場合は、高所などの綱渡りをしているような状態ではないかと考えられます。

 

 

そのような状態では内耳のセンサーはアンバランスさを感知し続けるので、常にバランスを保とうと過敏になって、他に連絡して修正報告をし続けてしてしまうのは自然ではないでしょうか。

 

しかし、自力でどうにもできないのであれば、改善されるまで異常感が出続けるのは、自然だと思います。

 

歪みの箇所などが、整体や運動などによって、筋肉や骨格、自律神経の働きを取り戻して変化にスムーズに対応できるようになれば、天気の変化に対して、体や内耳のセンサーの負担も減り、比較的快適に過ごせると思います。

 

整体を継続して受けることで、生活が楽になった人がいますので、お気軽にご相談ください。

 

 

参考

 

天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法

光文社新書

佐藤純

 

天気痛を治せば、頭痛、めまい、ストレスがなくなる!

扶桑社

佐藤純

 

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