助産師等に広がる産前産後に向かない技術

 

産前産後や助産師さんを集客のターゲットにして、未熟な施術者では難しい技術を安易に教えている事実を知りました。

 

助産師さんも、何かしたいと真面目に善意で取り組まれているのも理解できます。


しかし、施術講師に技術と指導力があれば問題ないのですが、無知で未熟な不適格者が教えることで、歪んだ形で技術が伝わり、人を危険な状態にさせることがあります。
 

恥ずかしながら、野口整体系でも、このような人はいます。施術写真を観たら、とてもマタニティが安全に出来るレベルではないと思います。

 

このような在り方は、野口晴哉先生が伝えたい出産、育児とはかけ離れたものです。野口先生が生きていらっしゃったら悲しい顔をされると思います。
 

専門性で宣伝すると、集客しやすいことは知っていますが、良識があったり上手な人や産前産後のことを多少知っている人ならしません。たとえ生活が苦しくても目的が違うからしません。

 

命はお金では買えないのです。
 

ある日、妊娠している助産師さんの体を整体しました。ソフトタッチな民間資格を約10年勉強しているそうです。


目から緊張が続いていることは読み取れましたが、触れてすぐに歪みがひどく、体の内部もズタズタに切り裂かれたような特殊な状態で私は驚きました。リラックスを謳っているソフトタッチな技術が正しく行われたとは思えません。

 

妊婦さんは自然治癒力が高い人が多いのですが、歪みがかなりひどくて整いませんでした。頭部の歪みもひどく過剰緊張していて通常にリラックスがなく、深く眠れていないと読み取れました。これは間違ったソフトタッチな技術で体が歪められたものだと判断しました。

 

そこの施術講師は10年も、この状態を修正できないので、体の状態を読み解いたり、チェックできる実力、そして受講者各自でチェックできる教育システムがないと判断しました。

そうなると教える側も学ぶ側も、自分の技術の正誤の確認がとれない状態の中で施術をしている危険な状態です。

 

このソフトタッチな技術を積極的に主に助産師に教えていると聞き、産前産後の母子に施すことで危険な状態になると判断しました。

 

この技術は一見ソフトですが体内に作用します。


この技術が正しく行われても、一般には効果を理解されず、現場で苦労されている施術者はいます。

 

プロでも施術を受けて、技術がどのように体内に作用して変化しているのか認識できる人は多くはいません。
 

私は数十年のベテランのソフトタッチの施術者に、あごをずらされ口が腫れた経験があります。

技術ですから、ソフトタッチな技術でもリスクはあります。触られた手の感じが強い刺激でないと、一見して安全そうな感じ、または「これくらいならそんなに影響がないから大丈夫でしょ?」と思いがちです。 ですが、実はそんなことはありません。

 

ソフト=丁寧で安全というのは違います。

技術のマニュアルを知っていて、それを長く続けていても、マニュアル通りに技術が正しく行われているか、どうかは別問題です。そしてマニュアル通りにいかないのが現場です。

もちろん凄い先生もいらっしゃって全身のバランスを絶妙に調えます。その先生はカイロと言っていましたが似ている素晴らしい技術です。


上手な先生や評判の良い施術を受けている人の体を、数名観た経験がありますが、身体の内部が綺麗に良く動くのが確認できます。上述の助産師さんの体の反応とは違います。

 

素人でも「ずんずん運動」だと見た目で危ないと気づきやすいですが、ソフトタッチなら安全と錯覚しやすいです。

 

下手な技術よりも、素人のマッサージや表面をなでる方が、かえって安全なことがあります。

だからこそ、手当が生活に活きるのです。

 

整体操法では相手の呼吸を観ることからはじまります。呼吸が違うタイミングで触れたり離したりするだけで知らぬ間にバランスが変わってしまうものなのです。

強火でも弱火でも、料理を焦がすリスクはあるように、ソフトが安全でハードが危険という単純なものではありません。

 

個体差や状況に応じて微調整していくことは必要だと思います。

 

まだ気功やヒーリングの方が安全ですが、人体に触れてないからリスクがないわけではありません。落語でもネタに使われるくらい対応力のある葛根湯でも服用基準があります。作用するものだからこそ、毒にも薬にもなるのです。

このソフトタッチな技術の場合は、その部分が一見調整されても、他の部分に歪みが生じることがあります。しかも時間差があり、受けた人は、後日それが施術ミスによるものだと気づくことが難しいのです。だからリスクがあるのです。
 

もし技術が誤用され、歪みが生じても、ソフトタッチで微細な技術ですから、その場で被害が明白に確認されなければ、因果関係が不明瞭ですし、良くなると思って施術を受けているわけですから、継続的に受け続けて発見が遅れることになる可能性が高いです。また施術者の善意の気持ちも発見を遅らせます。
 

これが産前産後で起こると大変です。

 

これらの事実を彼女に告げて、精神的なショックから赤ちゃんに悪影響を与えたくないので、この時点では伝えませんでした(一回きりだったので、結局、伝えられませんでした)。
 

そこでは主に助産師や医師に教えているそうです。そいう人達は善意で技術を使いたくなります。紹介者の人には、この技術は、産前産後の人には、おすすめできないとお伝えしました。
 

ただし、体の硬い人や鈍い人は体が変化しづらいので、はじめは悪影響は少ないと思います。

 

また赤ちゃんは、母体に守られていますので、表面しか動かせない技術者であれば、母体は傷ついても赤ちゃんを容易に傷つけられません。しかし、施術者が深層部に作用できるならリスクは高くなります。
 

施術者の写真を観て、その所作や姿勢を見ればある程度のレベルは計れるものです。その技術を教えている人のHPにいって施術風景をみました。これではリスクが高いと思いました。

 

また知り合いの理学療法士の人に話を聞いてもらったら、ソフトタッチな技術は安易に手を出さない方が良いと仲間にいわれたそうです。
 

このソフトタッチな技術は、昔から手当といわれている技術とは、受けてみて違うと感じます。

 

これを未熟者が、お母さんの手当として教えると、習うものは正誤が未確認のまま悪い癖がついていきますので、癖がついたあと過ちに気づいても、自分が無意識に何をしているのか確認できないと、誰でもできる手当すら変な癖がでて難しいです。

 

ソフトタッチな技術は、かえって難しいのです。

 

助産師達がこのまま誤った形で技術を身につけてしまうと、普通の手当をすることは困難です。最悪、ソフトなるがゆえに誰でもできる、基本的、本能的な手当が二度とできない手になります。

私から施術の危険性を聞いた人が、その施術を受けて体調が悪くなった体験をしたので、その施術講師に善意で、技術の危険性を伝えてくれました。


その施術講師は、「施術で体が壊れることがある」などとは聞いたことがないそうです。


「気をつけます」とは言ったものの、それは施術者の思い上がりや、雑念などの思考が、技術的な破壊をもたらすのではないかと認識したそうです。

 

安全性は思考の問題ではなく、技術を扱う者の最低限のレベルだと思うのですが…。
 

勘違いしてほしくないのですが、このソフトタッチな技術は良いものです。

 

こういう無知な未熟者が人に教えていることが問題なのです。


どのような技術であれリスクはあります。未熟な技術が真面目な医療従事者たちに教え広まって被害が出て、最悪、死につながっても、究極的には誰も責任はとれません。

 

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